溶接は、DIY初心者にとって電源環境や危ないといったイメージから高いハードルと思っている方も多いと思います。
どのような溶接をするかによって難易度が変わってくるかと思いますが、初心者でも使用方法さえ守れば安全に溶接をすることは可能です。
今回は、初心者にも安心・安全に使える家庭用溶接機(被覆アーク溶接機・半自動溶接機)をご紹介します。
溶接の基礎知識
日本溶接協会によると、『溶接とは、材料に応じて、接合部が連続性を持つように、熱又は圧力もしくはその両者を加え、さらに、必要があれば適当な溶加材を加えて、部材を接合する方法』と記載されております。
難しく書いてはありますが、簡単に説明すると、『2つの材料を熱や圧力により一つにする加工方法』です。
「溶接」については本記事ではここではこのぐらいの説明とします。
もっと詳しく溶接について知りたい方は以下の記事をご覧ください。
「溶接機」を購入前に用意する必需品
溶接では、作業時に『熱』、『光』、『飛散物』、『ヒューム』が発生するため、安全に溶接するためにはしっかりと対策する必要があります。
溶接機の購入と併せて、上記の危険性を対策するために、以下のアイテムを事前に用意されることをおすすめします。
- 作業帽、ヘルメット、頭巾など
- 腕カバー
- 革手袋
- 保護面(溶接面)
- 前掛け(エプロン)
- 作業靴(安全靴)
保護具についてまとめた記事があるので、どのような保護具があるか気になる方は次の記事をご覧ください。
家庭用溶接機の選び方
溶接機を選ぶ際は、溶接機なら何でもいいというわけではありません。
「対応している入力電圧」、「加工したい物や材料」、「使いやすさ」など、自分の環境や技術、加工したい物に合った溶接機を選ぶ必要があります。
今回はDIYを目的とした、初心者にオススメの溶接機をご紹介します。対象の溶接機はDIY溶接にぴったりの『被覆アーク溶接機』と『半自動溶接機』の2種類をそれぞれ3選でのご紹介となります。まずは、それぞれの種類がどういった特徴を持っているのか解説します。
被覆アーク溶接機とは
溶接棒を使って溶接をする方法で、手作業での溶接姿から手棒溶接や手溶接と呼ばれることもあります。溶接方法としては、溶接機本体から伸びているトーチに溶接棒をセットし溶接したい金属に当てるだけです。
仕組みはアーク放電を利用した方法でとてもシンプルです。
サイズもコンパクトなものが多いため、使い勝手の良い溶接機です。
半自動溶接機とは
半自動溶接機は溶接のワイヤーが自動で供給され溶接をする方法で、アーク溶接のように溶接棒の交換は必要ありません。
溶接材料となるワイヤーが自動で送られるため、未経験の人も比較的早く技術の習得が可能です。
半自動溶接でもシールド材としてガスを使うか、ガスは何の種類か、またはガスを使わないかによっても呼び方が異なります。
ガスを使った半自動溶接はCO2やMAG、MIGといった種類があり、ノンガスフラックスワイヤーといったものであれば、ガスを使わず溶接が可能です。
ワイヤーの供給は自動でも、溶接トーチの操作自体は手動であるため半自動溶接と呼ばれます。
被覆アーク溶接機と半自動溶接機の比較についてまとめた記事があるので、どちらに使用可悩まれている方はこちらの記事をご覧ください。
初心者にオススメする『被覆アーク溶接機』 3選
では、ここからは初心者でも簡単に使えてオススメできる溶接機についてご紹介していきます。
基準としては「小型軽量」・アークが安定しやすい「インバータータイプ」・「100Vで使用が可能」の3つをクリアした溶接機を選定しました。
SUZUKID 【ネット限定モデル】直流インバーターアーク溶接機 STK-80
溶接機メーカー『スター電器製造株式会社』から誕生したブランド『SUZUKID』より発売された初心者向け被覆アーク溶接機です。
価格帯もリーズナブルで、「まずは溶接してみたい」という方にオススメです。
直流インバーターなのでアークも安定しており、小型・軽量となっております。
SUZUKID 直流インバーターアーク溶接機 STK-140
「STK-80」の上位モデルで100V/200V対応の「STK-140」です。
大きさ・重量がほぼ変わらず、性能が向上しているので200Vも使用が可能な方にはオススメです。
HAIGE インバーター溶接機 HG-MMA-140D
HAIGEから出ている「HG-MMA-140D」です。
デジタル表示で電流調整がしやすく、小型・軽量となっています。
また、ワイヤーブラシも付属されているのも魅力のひとつです。
初心者にオススメする『半自動溶接機』3選
SUZUKID インバータノンガス半自動溶接機 SBD-80
「初心者・半自動溶接」といえばこの機種「SBD-80」。
直流インバーターなので小型・軽量でアークも安定しおり、初心者に使いやすい機種となっております。
もちろん家庭用コンセントからの使用も可能となっております。
HAIGE インバータノンガス半自動溶接機 HG-MAGMMA-100A
HG-MAGMMA-100Aは半自動のみではなく、手棒溶接も可能となります。
この後、説明するSAYI-80Nのように「シナジー機能」などは搭載していませんが、その分、価格はリーズナブルとなっています。
また、ワイヤーやブラシなど役立つ付属品もたくさんついているのでオススメです。
SUZUKID インバータノンガス半自動溶接機 SAYI-80N
2020年度のグッドデザイン賞にも受賞された100V専用インバータノンガス半自動溶接機で手棒にも対応しています。
シナジー機能という溶接材質・板厚・ワイヤー径で最適な溶接電流・電圧を設定してくれるので初心者にはオススメな機能です。
まとめ
溶接ができるようになると、DIYの幅がとても広がります。
木工の椅子や棚に金属を溶接するだけで、プロになったようで気分が上がります。
まずは、お求めやすい価格の溶接機で試してみてはいかがでしょうか?
初めは上手に溶接できないかもしれませんが、何度か経験するうちに必ず上達していきます。
しっかり溶接できた時の興奮は忘れられない経験です。
一生使えるDIY技術ですので、これを機会に是非、挑戦してください。