溶接で使う自動遮光溶接面とは?使い方や選び方についてまとめてみた

自動遮光溶接面という溶接の面をご存知ですか?溶接用のお面の一種で、頭に装着できるので、手持ち面と違い、両手が使える自由度の高さや視界の広さから溶接に大活躍のお面です。

フルフェイスのような見た目の自動遮光溶接面は本格的な溶接用のイメージですが、DIYで溶接をする人にもかなりおすすめのアイテムです。

この記事では、現役の溶接工として20年の経験を持つ筆者が自動遮光溶接面とは、どんな溶接面であるか、他の溶接面と比較して解説します。

使い方の紹介ももちろん、種類が多すぎて迷ってしまう溶接面の選び方もお伝えします。

DIYで溶接をする人は自動遮光溶接面の便利さを知ってしまったら、もう他の溶接面に戻れないかもしれません。

目次

自動遮光溶接面とは?

溶接時の光には「目に見える可視光線」の他にも見えない「赤外線」や「紫外線」を大量に含みます

有害な光から目や肌を保護するために溶接の面は必須となりますが、安価の手持ちの面では面を持つために片手しか使用できないという問題あります。

自動遮光溶接面のような頭にかぶって使用するタイプでは両手が使え、視界も広めに確保できるため作業性がよく、ヘルメット型で顔全体も保護できるので肌へのダメージも抑えることが可能です。

見た目にも本格的でカッコイイですね。しかし、自動遮光溶接面は付け外しが面倒なため、基本的にはかぶったままでの作業になります。

そのため、溶接以外の作業では面がぶつかって邪魔をしたり、普段の視界がせまく見づらかったりと作業の妨げとなる可能性もあります。

DIYでの作業時には、どのような作業をするのかを考え、作業性に合った溶接面を選ぶことが大切です。以下に、主な溶接面の種類別の特徴を紹介します。

手持ち面

安い値段で用意することができ、持つだけという手軽さからもオーソドックスな溶接面です。しかし、片手がふさがってしまう点や慣れていないと装着タイミングのズレから光を見てしまい目を傷つける可能性があります。

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かぶり面

自動遮光溶接面と同様に頭にかぶるタイプの溶接面ですが、簡易的な作りから値段が比較的手ごろなものが多いタイプです。

ヘルメットに装着するものや頭に直接かぶるものがありますが、サイズが合わないとかなり作業しづらいので試着してからの購入をおすすめします。

自動遮光溶接面

上記のかぶり面と同様に頭にかぶるタイプの溶接面ですが、フルフェイスヘルメットの様な見た目でより本格的な溶接に向くタイプです。

光を検知するセンサーが搭載されているので、溶接の光を出している時には周りを暗く、溶接を止めたら明るくなるように自動で明るさを調節してくれる機能があります。

また、タイプによっては明るくなるタイミングを調節する機能や、溶接していない時の明るさを調節する機能などもあるハイテクな溶接面です。

機能や丈夫さから、値段は高めのものが多くなります。

自動遮光溶接面の使い方

自動遮光溶接面は基本的には液晶が自動で光の調節をしてくれるのでかぶるだけで使用ができます。液晶の明るさや光への反応速度は種類により異なる点には注意してください。

また、高価な溶接面になると光の感度調節機能がついているものがあります。通常の感度だと太陽光や照明などにも反応して光の調節をしてしまうので作業効率が悪くなってしまいます。高価な面と安価な面の違いは光の感度調節機能の有る無しになるでしょう。

また、使う時の注意点として、ソーラーパネル式か電池式か、液晶の電源タイプを確認しておきましょう。外で溶接する機会が多い場合は「ソーラーパネル式」がおすすめで、室内や暗い場所での溶接が多い場合は「電池式」がおすすめとなります。

自動遮光溶接面の選び方

最近ではDIYで溶接をする人も増え、溶接面もさまざまなタイプや種類が用意されています。種類が多く迷ってしまいますが、基本的な選び方は共通しています。自動遮光溶接面を含め、溶接面の選び方は以下を参考にしてください。

遮光度(明るさ)から選ぶ

まず、肝心な光の見え方を左右する遮光度を選びます。低い電流で暗い遮光度の液晶では見づらく、高い電流で明るい液晶ではまぶしすぎて作業になりません。最適な明るさを選ぶことが大切で、溶接の電流によって最適な遮光度がJIS規格の番号によって定められています。

こちらのページからJISの規格で適切とされている遮光度の確認をしてください。

また、自動遮光溶接面では面をかぶったままの作業が基本となるので通常時のガラスの明るさや明るさの調節ができるかを確認しておきましょう。

遮光の速さから選ぶ

自動遮光溶接面の液晶は遮光までの反応速度が異なります。反応速度は溶接の光が出てから遮光するまでの時間です。遮光速度が遅いほど溶接の光が目に与えるダメージが大きくなり、長い時間での作業ではわずかな時間の積み重ねが大きくなってきます。

しかし、最近のものであればどれも使っていて違和感を感じるものではないため、極端に遅いものでなければ大丈夫でしょう。参考の数字としては、1/15000~1/25000くらいがスタンダードになります。

できるだけ軽いものを選ぶ

作業にあたって面自体の重さは非常に重要です。長い時間での作業は重さと疲労感は比例します。できるだけ軽いものを選ぶのが良いでしょう。

重い遮光面では数時間の作業でも肩がこり頭痛にまで発展することも。また、頭が重いことで体全体のバランスも悪くなり、長期間の使用は腰痛の原因にもなります。

基本的にはかぶったままでの作業になることを考えて、できるだけ軽い溶接面を選ぶことをおすすめします。

おすすめの自動遮光溶接面

ここからはおすすめしたい自動遮光溶接面をご紹介いたします。自動遮光溶接面も最近は色々なメーカーが出しているので、機能・品質に大きな差がありますのでしっかりと解説するので、適した自動遮光溶接面を選びましょう。

ハイガー HG-LY800F

まずはハイガーのHG-LY800Fからご紹介します。こちらは「コスパ最高」の意見が多く、溶接初心者には最高な自動遮光溶接面となります。

値段が安いのに遮光戻りの速度調整や、溶接モード切り替えなど色々な機能が搭載されています。動力はソーラーなので、使わないときなどは太陽光で充電が必要になります。(立ち上がりなどはリチウムイオンボタン電池(CR2450)を使用)

SUZUKID アイボーグアルファ2 ブルーフィルター

まずは、SUZUKIDから出ている自動遮光溶接面の「アイボーグアルファ2 ブルーフィルター(EB-200A2B)」です。

この遮光面の特徴は、「ブルーフィルター」ということで溶接が比較的見やすくなるという点です。また、動力も「ソーラー+単4乾電池×2個」ということで外でも室内でもばっちりです!!

まとめ

今回は自動遮光溶接面とはどんな溶接面であるか紹介をしました。溶接面は主に、安く買える手持ち面や簡易的なかぶり面、さまざまな機能を備えた自動遮光溶接面があります。

それぞれに特徴や作業性が異なるので作業に合った溶接面を選ぶことが大切です。また、自動遮光溶接面の選び方として、

といった選び方を紹介しました。DIYにおいても自分に合う作業のしやすい溶接面を選ぶことが重要です。自動遮光溶接面は作業中に両手も使え、視界も広めに確保できるためDIYでも活躍する溶接面。選び方を知り、作業に合った溶接面でDIYを行ってください。

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